ゲストハウス ウェルかめ(Guest House WELKAME)
2020/03/29
- ポートタウン
「当時の賑やかさはないけど、まだこの町には魅力がたくさん残っている」
「ゲストハウス ウェルかめ」宿主 中島厚さんインタビュー
「子供の名前がね、一番上が悠(はるか)くん、真ん中が望(のぞみ)ちゃん、ほんで下は舶渡(はくと)くんって言うん。なんやと思う? これね、全部鉄道の列車名なんよ。鉄道は自分のルーツやけんね。子供たちには旅好きになってもらいたいねぇ。今から旅の教育をしよるんよ~」
インタビューの最後に親しみやすい讃岐弁でそう話してくれた「ゲストハウス ウェルかめ」の中島厚さん。
小学生の頃に1人旅を始め、日本一周、エアーズロック、アメリカ横断、韓国一周、ロシア・・・・・・と多くの旅を重ねてきた中島さん。その後、大好きな丸亀の町を盛り上げたいと、10年の構想を経て2015年に「ゲストハウス ウェルかめ」をオープンしました。旅を通してたくさんの町を見てきた中島さんが見る、丸亀のみなとまちとは・・・・・・
幼少期に通った丸亀駅。鉄道好きから旅好きへ
すごいですね、旅の写真がいっぱいあります。バイクが印象的ですが趣味ですか?
バイクというよりは、旅が好きです。元々は鉄道が好きでね。丸亀城の側に住んでいたので丸亀駅は生活圏内で、子どもの頃から電車を良く見に来ていました。当時はまだ高架になってなくて、見やすかったですよ。
そこから電車で旅に行くようになったのですか?
小学校3年生の時に鳥取の親戚に会いに1人で行きたいと親に言ったところ、「行っておいで」と送り出してくれて。それが初めての1人旅でした。乗り継ぎながら行ったのを今でも覚えてます。不思議と不安とかは一切なくて、楽しみが先を行ってましたね。
バイクはいつ頃から?
バイクの前に自転車の時期があって、中学校・高校の頃にマウンテンバイクで四国を一周しました。バイクに乗るようになったのはその後ですね。大人になってからは、海外にも行くようになって、現地でバイクを借りて、エアーズロックに行ったり、アメリカ横断、韓国一周、それからロシアも行きましたね。他にもいろいろ・・・・・・
バイクがすごい好きなわけでもないんですけど、自分の力で行きたいというのがあって、どちらかというと手段としてのバイク。当時は免許もなかったから電車、自転車だったということですね。少しずつ移り変わっていきました。今はゲストハウスもあるので、ほとんどどこも行かなくなりましたが(笑)逆にお客様が自分を尋ねて来てくれるのが嬉しいです。
すごい行動力ですね!たくさんのところに行かれているようです。旅に出るきっかけは何だったんですか?
好奇心です。話が前後するんですが、中学の頃、和歌山県を旅していた時に、近くに日本一大きな岩「古座川の一枚岩」があると知って見に行きました。それを見てから「いつか世界最大の岩を見てみたい」と思うように。それでエアーズロックに行きましたね。和歌山の一枚岩は私の旅の原点です。
その後も、あれを見てみたいという、ただそれだけで旅に出ていました。
この町の魅力をたくさんの人に知ってもらいたい
日本や世界の各地を見て来られた中島さんが地元丸亀でゲストハウスを開くことになったきっかけを教えてください。
学生時代に訪れた阿蘇ライダーハウス(熊本県)での体験がきっかけです。初代オーナーの“じゃけんさん”という方がいるんですが、とても素敵な人で。ゲストハウスでの人と人の出会いや繋がり、情報交換が旅を豊かにしてくれて、いつしか自分もこんな場所を作れたらと思うようになりました。サラリーマンになってからも、お休みを使って旅をしながら様々な宿を回りました。10年くらいは構想を練りましたね。
それをこのエリアでしようと思ったのは何故ですか?
私が鉄道を見に来ていた子どもの頃、この辺りはすごい賑やかだったので、少し寂しいなという思いがあります。あそこまで戻るというのは難しいかもしれないけれど、多少なりとも、ここに泊まってもらうことで、町を楽しんでもらいたいと思って。
なので、中心部という条件は外せませんでした。オープンの2~3年程前から毎日このあたりを散歩して場所を探してましたね。
あと「ウェルかめ」が素泊まりにしているのは、ここを訪れたお客様に、町全体を利用して欲しいからなんです。讃岐うどんのお店や、丸亀名物骨付鳥の店などの飲食店はもちろん、近所には番頭さんのいる昔ながらの銭湯(城北温泉)があります。お城もあれば、港も近いので島にも行ける。駅から電車に乗れば県外にも直ぐに出られます。
賑やかさこそないですが、まだまだこの町には魅力が残っていると思うんです。
なるほど!先ほどから利用者への丸亀での過ごし方の提案など、おもてなしが厚いなと感じていました。そういうことだったんですね。
そうですね。丸亀はもちろん、私は四国内や島も旅をしているので、お客様の旅の目的を聞いて、自分が知っている部分については、おすすめのお店やルートを紹介したりもしてます。旅の経験が活きてる気はしますね。
このエリア以外で他に中島さんがお客様におすすめしている場所はありますか?
島ですね。瀬戸内の島はぜひ行って欲しいです。みなさん時間に追われる生活をしている方が多いと思いますが、島に行ったらスローな時間が流れているので、そういうのを体感して欲しいです。同じ丸亀市でも内地とは全然違いますから。そんな何時間もかけて行くようなものでもないですし、日常の合間に挟んでもらえると。ここなら30分で行けるので、すぐ体感できるのがいいところだと思います。
訪れる人と迎える人。町全体で町の未来を作れたら
実際にこの町で開業されて「開業前のイメージと違った!」みたいなことはありましたか?町の印象の変化や近隣の方とのコミュニケーションについても教えてください。
そんなに大きくはないですかね。思っていたとおりと言えば、思っていた通り。
元々このエリアは生活圏でもあったので、商店街に知人もいたし、近隣の方とのコミュニケーションで困る事はなかったです。もしかしたら、外から来られる方だと、そこの関係作りからになるので、私よりは面倒なこともあるかもしれませんが。なので、有り難いですね。
想定外だったのは、お遍路のお客様が少ないこと。これは想定外でした。あとは、思っていたより宿泊者が伸びていて、これは良い意味で想定外。ご新規の方もそうですが、リピーターさんも多いんです。それもあって、別館を持つことが出来ました。
お客様と良い関係が築けているんですね。
そうですね。私がバイクに乗っていることもあって、ライダーさんが尋ねて来られることも多いです。今日、札幌から来ていただいてる方もライダーさん。今年入って3回目ですかね。一度この町を知った人が、また戻ってきてくれたり、私に会いに来てくれたりすることは本当に嬉しいです。
では最後に、ウェルかめさんの今後、そしてこの町のこれからについて展望を教えてください。
3店舗目ですね。2020年オープンを目標に現在準備中です。もちろん、近隣で。今回は本館、別館とは少し趣向を変えたものにしようと思っていて、3店舗目に宿泊された方は、本館、別館では味わえない、丸亀のみなとまちを味わうことができるかな・・・・・・と思っています!
町は、もっといろんなお店が増えるといいですね。ここは素泊まりなので、紹介できるお店やスポットが増えるのは、私としても嬉しいですし、町全体で元気になるといいです。


丸亀大好きですね
丸亀大好きやね。自分が小さい時に経験した丸亀のわくわくを体験してもらいたいから、エリアはここから外さず、広げていきたいなと思ってます。
取材中、出入りする宿泊客へのお声かけや、飲食店の予約、案内等、細やかなおもてなしをする中島さんの姿に「愛」を感じました。そのお客様への「愛」は、この町、この町で働く人、そしてご家族への「愛」でした。
今後も「人と人との出会いや繋がり」が生まれる場所として、この町を盛り上げていってくださることに期待します!ありがとうございました。
